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書籍 『こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方』 概要紹介

2024年2月26日(月)ヤマップ CEO 春山慶彦が初の著者・編者をつとめた書籍『こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方』が発売されます。

早期教育が過熱し幼い頃から塾に通う。一見、学力が向上したように感じる一方で、すぐに人工知能(AI)に代替され、知識は役に立たなくなり、不確実性の高い時代を「生きる力」も身につかない。新たな時代を切り拓く創造力、思考力、課題解決力はどのように育つのか。テクノロジーの進化が著しい社会に必要な知性の育て方とは。

養老孟司・中村桂子・池澤夏樹の各氏との対話を通してその核心に迫った本書。その前書き(はじめに)と概要(目次)をご紹介いたします。

アラスカの原野で遊ぶイヌイットのこどもたち

「こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方」 はじめに

 今、私たち人類に問われているものは何か。自然観だと私は思う。自然観とは、人類も生きものであり、人間社会も自然の一部であることを前提に、どう生き、どう暮らし、どういう風土を育んでいくのかという世界観であり、生命観でもある。

 なぜ、自然観が問われる時代になっているのか。東日本大震災、それに伴う福島での原発事故、新型コロナウイルスによるパンデミック、ウクライナならびにガザ地区での戦争、気候変動によって世界各地で起きる自然災害…。変化する自然環境、社会情勢の中で、私たち人類は、どう生きるのか。私たち一人ひとりの生き方が切実に問われている時代が今である。

 また現代は人工知能(AI)をはじめテクノロジーの進化が著しい。そのような時代に、起業を志す学生やビジネスパーソンに必須な観点も自然観だと思う。どのような自然観をもって、人間を含めた”生きものたちのいのちのにぎわい”を真ん中に据え、テクノロジーを活用しつつ事業をつくっていくのか。どのような事業が、今を生きる一人ひとりの心に届き、社会にとってなくてはならないインフラサービスとなるのか。市場の大きさや流行りのテクノロジーを追うだけでなく、確かな自然観に根差した骨太な事業こそが、今、求められている。

 養老孟司さん、中村桂子さん、池澤夏樹さん。先覚のお三方それぞれの自然観、自然に対する眼差しをお聞きしたのが本書である。自然観はその人が生きてきた歩み、生き様と密につながっている。お三方の自然観や生き様の一端に触れ、私たち自身の自然観を問い直し、深めていく契機としたい。

春山慶彦

YAMAPのパーパス「地球とつながるよろこび。」のイメージ図

「こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方」 目次

▼ 養老孟司との対話 
  自然の中で身体を動かすだけで無意識に学んでいる
  身体や感覚を軽視する現代社会
  今のこどもは「脳の出力」が不足している
  エビデンスより「自分でやってみる」
  教養とは「人の心がわかること」
  思い通りにならないことに向き合う
  これからはローカルの価値が高まる
  いのちと風土のつながりを意識する
  日本人の自然観はどう変化したか
  長い時間軸で考える
  日本人は昔から木を植えてきた
  そんなに一生懸命頑張らなくていい
  目の前の生きものは「解答集」

▼ column1 
  自然経験こそ最上の教育

  現代社会の最大の課題
  環境論と幸福論はセットで考える
  日本的風土に根差した幸福論を
  人も自然も豊かになっていく仕組みを
  知識よりも知覚を磨くことが先
  同じ方を見て、ともに学ぶ姿勢

▼ 中村桂子との対話
  「へんてこ」「無駄」「弱さ」があるから生きていける
  水の道と風の道
  効率と競争の弊害
  伝えたい四つのこと
  SDGsの「上から目線」
  都会のこどもと自然体験
  科学の一番の問題点
  なぜ少子化対策でこどもは増えないのか
  一つの前提条件を当てはめるおかしさ
  土地の歴史を無視してはいけない
  無駄の大切さ
  人間ほどへんてこな生きものはない
  私たちのふるさとはみんな同じ

▼ column2
  「いのちのときめき」に素直に生きると、やがてそれが「仕事」になる
  
「どんな職業に就きたいか」よりも「何をしたいか」が重要
  自分のいのちのときめきに素直に生きる
  生き方の延長にある仕事
  すべては「感じる」からはじまる
  能力より経験の積み重ね

▼ 池澤夏樹との対話
  自然に学ぶ「インチキせずに生きる力」
  二〇年ぶりの再会
  星野道夫という人
  アラスカの自然のメッセージ
  狩猟文化の謙虚さ
  すべての基本は「一人対自然」
  サステーナビリティーを議論するときに必要なこと
  ベンチャー企業は二一世紀の冒険
  世界の捉え方と自然に対する向き合い方
  住む場所をどう選ぶか
  クジラと朝日、どちらも大事

いかがでしたでしょうか。
本書の原典となる動画「地球とつながる対談」では割愛したお話の数々も、本書では余すことなく収録しています。
ぜひ、お手にとってみていただけると嬉しいです。

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