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47種類の山バッジを描き分けたデザイナーに聞く、YAMAPバッジ制作裏話

こんにちは、YAMAPの崎村です。

先日、YAMAPに最高峰バッジ山域バッジが追加されました。

YAMAPではこれまでもたくさんの山バッジをつくってきましたが、今回はなんと50を超えるバッジが一挙追加。このたくさんのバッジたち、実はたった一人のデザイナーによってつくられているのです。

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ということで、今回はバッジを手掛けたデザイナーのnoiさんに制作裏話を聞いてみました。

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noiさん
2017年YAMAP入社。イラスト、バナー、LPといったweb系から、イベントで使うポップ、看板、フライヤー、冊子、YAMAPのオリジナルグッズなどまで幅広いデザインを手掛けている。

47種類のバッジの山をひとつひとつ描き分けた理由

ーー最高峰バッジは、各都道府県の山をすべて描いていることがTwitterなどで話題になっていましたね

バッジをつくるときに考えていたのは、ゲットして嬉しいと思えることでした。正直なところ、最高峰バッジは数も多くてレアなものでもないので、同じ山のデザインでもいいんですよね。でも、せっかく現地まで行ってもらえるものだから、1個ずつ違うほうが絶対に楽しいと思ったんです。なので、自分がもらって嬉しいものをつくることにしました。

都道府県最高峰 (1)

ーー同じ山でも、都道府県によって山容を描き分けたんですね

最初は「各都道府県の最高峰」とだけ言われていました。ただ、山の情報を集めていると、同じ山が複数の県にまたがっているところが結構あったんです。

同じ山でも、場所によって見え方が違う。雪がかぶってる場所とか、前の山が視界に入るとか。これはちゃんとしないといけないなと思いました。地元の山を誇りに思っている人はたくさんいるので。

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でも今回のデザインは、街からの景色とか縦走中に見えるものとか、視点がばらけちゃってます。本当はそれも統一したいのですが、スピード的に今回はこれが限界でした。

ーーこだわっていますね。素晴らしい!

気がつく人は気がつく、みたいなのが好きなんです笑

同じ山を描き分けるというのは、実は富士急行さんとコラボしたときに思いついたんです。この取り組みでは、富士山が見える山を東西南北に分けて、各エリアの特定の山を登ったらバッジがもらえるというものだったのですが、このときに東西南北で富士山って全然違うなと思って、それぞれを書き分けたら面白いんじゃないかと思ったんです。

そう思ってから、静岡県生まれのエンジニアのらみみくんに相談しました。そしたら東西南北のおすすめポイントを教えてくれたので、その情報をもとに東西南北の富士山を描き分けました。このことは誰にも言っていないので、気がついた人はすごいと思います。

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富士急行さんとの取り組みは、広告・クリエイティブの専門誌「ブレーン」にも取り上げてもらいました


デジタルでリアルなバッジから感じるYAMAPっぽさ

ーー他にバッジでこだわっているポイントはありますか?

実は、デザインデータをそのままリアルのピンバッジにできるようにつくってます。リアルのバッジは線の細かさなどに加工上の制約があるんですが、その基準にデジタルのバッジも揃えています。元々、バッジはリアルな登山文化なので、そこは大切にしいたいと思いました。線が潰れがちなので大変なんですけけど笑

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ーーnoiさんはリアルなものづくりもよくするんですよね

母親がフラワーコディネーターをしてたので、小学生の頃からブーケとかをつくってました。他にもコートを自分でつくってみたり、シルバークレイで指輪、レジンでチャーム、樹脂粘土でミニチュアスイーツとかも。

残るもの、手触りがあるものが好きなんです。それと、なかったらつくる精神。

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お客様に出す湯飲みのコースターにイベントで何かと入り用の巾着袋。両方とも久留米かすりの余った生地を活用。YAMAPにはnoiさんお手製のものがたくさん

ーーnoiさんは、コーポレートのメンバー紹介のプロフィールに、“オンラインとリアルの往来という体験を意識して、誰もが山に行きたくなるようなデザインを心がけています。”と書いていますね。これはバッジにも活きていますか?

活きていると思います。バッジは、自分の足でそこまで行かないともらえないもの。それこそリアルな体験の延長ですよね。

私も「ただデジタルのものをつくっている」という感覚はなくて、「オンラインとオフライン」とか「デジタルとリアル」とか関係なく、YAMAPを通して「登山が安全で楽しくなる」ためにデザインをしています。

それと、このバッジはシンプルにYAMAPっぽいなと思っていて。

ーーバッジは、YAMAPっぽい?

「都市と自然の距離を近づける」というYAMAPの考えに対して、バッジは都市と自然を行き来するモチベーションになりますよね。そういう意味で、直球でYAMAPっぽいなと思うんです。

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YAMAPの活動日記をアップしたときに出てくるポップアップを見る瞬間、後から自分が集めたバッジを眺める瞬間。そんなシーンでユーザーさんが喜んでくれるものだから、つくり手の気合も入ります。

これからもバッジは増えていく予定ですが、さらなるブラッシュアップをしていきたいと思います。

ーーどうもありがとうございました

FIN.

おまけ:バッジ制作タイムラプス

特別に架空のバッジをつくってもらい、その様子をタイムラプスで撮ってみました。

完成したバッジがこちらです。

ライチョウ

果たして、この雷鳥バッジがYAMAPに実装される日は来るのでしょうか。