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THE GUILD 安藤さんがCXOを退任しました - YAMAPでの2年間を振り返る

2年間に渡ってYAMAPのCXOを務めた安藤さんが、2021年3月いっぱいで退任することになりました。このnoteでは安藤さんにYAMAPでの2年間について振り返ってもらいました。

YAMAPにジョインした経緯

ー 安藤さん2年間お疲れさまでした

お疲れさまでした。あっという間の2年間でしたね。

ー そうですね。安藤さんには本当にお世話になったのでYAMAPのメンバーもまだ悲しみモードなのですが、今回は感謝を込めて、この2年間を凝縮してお聞きできればと思います

はい、よろしくお願いします。

ー まず、安藤さんがYAMAPにジョインした経緯を簡単に振り返ってもらってもいいでしょうか

詳しくは別のnoteで取り上げていただいたので割愛しますが、ある日突然YAMAP CEOの春山さんからメッセージをいただたことが始まりでした。UX領域の専門家でアウトドア領域を楽しんでいる人材を探していたところ、私がヒットしたというきっかけになります。

ー 安藤さんが登山をしていることが発覚したとき「Go Andoが登山しとる!」と社内がザワついたのをよく覚えています

ありがとうございます笑

私自身、登山は数年来楽しんでいたのですが、いろんなサービスを使うなかで、デジタルの体験としてYAMAPはもっと良いデザインになりそうだ感じていました。そういうタイミングでしたので、ぜひお手伝いさせてくださいと即答しました。

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安藤さんがYAMAPでやったこと

ー 安藤さんがこの2年でやったことを振り返るとどんな感じでしょうか?

大きくは4つのことをしたと思っています。

1. 改善し続ける組織づくり
2. 成長シナリオの構築
3. コミュニケーションの活性化
4. ビジョンの再定義

の4つです。

ー それぞれ説明をしてもらってもいいですか?

1. 改善し続ける組織づくり

サービスの開発においては、ユーザのニーズをキャッチアップし、新たな機能を投入することと並行して、今ある機能を常に改善し続けていく必要があります。

私がジョインした当初は、数ある改善ポイントの中でも、特に即時の効果が見込めて素早く対応可能なもの...つまり、費用対効果の高い改善を、私自身の経験や私の所属するTHE GUILDのメンバーの集合知を元に素早く実行していきました。これは外部の専門家がメンバーに加わるメリットである一方、属人性が高い方法とも言えます。

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一方でこの2年の間に、プロダクトを改善するアイディアを募り、取り組む優先順位を決め、チームで実行していくための組織体制もつくりあげていきました。今では毎週の改善ミーティングでエンジニア、デザイナーを問わず、どんどんプロダクトの改善案が出てくる状態になり、本当に頼もしく思っています。


2. 成長シナリオの構築

YAMAPにジョインしてすぐに、プラットフォームとしてのYAMAPが、どういう力学で成長するのかを図式化しました。

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私が参画した時から、YAMAPではいろいろなKPIを目標に据えて取り組んではいましたが、それぞれがどういう繋がりを持っていて、何が最優先なのかが共有できていないように感じました。これを成長サイクルモデルという形で「どこをどう伸ばせばプラットフォームとして成長するのか」を分かりやすく概念化しました。これをもとに、今ではYAMAPのメンバーが更に精緻なモデルとしてアップデートをしており、OKRや戦略を定めるための要となっています。

振り返ってみると、この2年の間にコロナ禍があったのにも関わらず、MAUや活動日記数はきちんと成長しており、一定の成果はあったのかなと思っています。

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3.コミュニケーションの活性化

サービスの開発においては、プロダクトとしての改善や機能の提供だけでなく、ユーザーとのコミュニケーション、運営会社のPR的な発信によるコミュニケーション。さらには、会社の中の人が自ら発信してコミュニティとコミュニケーションを行っていくことが重要だと思っています。

私がサービス開発の支援をする際は、外部のデザイン企業としてサポートするだけでなく中の人間の一人として深く関わり、Twitterやnoteといったチャネルでサービスについて発信していくことを自らのスタイルとしています。YAMAPにおいても中の人として、ソーシャルでプロダクトの改善や開発中の新機能などについて積極的に発信してきました。

こうした取り組みを経て、YAMAPのPRチームがTwitter、Instagram、note、Youtubeといった様々なソーシャルで積極的に発信するようになったことを心強く思っています。

また、ソーシャルでYAMAPについて言及される量も、2年前と比べて40倍くらいに増加しました。ソーシャルとの接点を持つようプロダクトの改善を行った成果が出ていると思います。


4.ビジョンの再定義

2020年には、YAMAPのリブランディング・ビジョン再定義の旗振りをさせていただきました。私はあえて意見を出さないようにしてファシリテーションに努め、あくまでYAMAPのメンバー自らが発した考えや言葉を元にビジョン・ミッション・バリューを組み立てました。最終的なワーディングまでYAMAPのメンバーが考えたものが採用され、とても嬉しく思っています。

また新たなブランディングを追う形で、YAMAPのデザインシステム「RIDGE DESIGN」ができあがりました。これも私は意見を言うだけで、YAMAPのデザインチームが最終的なアウトプットまで仕上げました。ずっとその様子を見守っていましたが、本当に頼もしく思っていました。


安藤さんが感じたYAMAPの変化

— 安藤さんから見て、この2年のYAMAPの変化ってどうですか?

一番大きく感じるのは、組織として圧倒的に進化したという点でしょうか。私がジョインした時と比べて倍くらいの規模になった上に、事業の拡大に伴いチームも多角化しました。マネジメントの仕方も常に改善点を探しブラッシュアップし続けていて、2年前よりも相当に洗練されたと思います。運営している組織そのものがプロダクトなんだな、ということを改めて感じます。

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もう一つが、会社全体としてデータを非常に活用するようになった点です。私がジョインした頃はそれほど定量的なデータを見ていなかった印象なのですが、この2年の間にデータサイエンスチームも立ち上がりました。スタートアップでは珍しいデータ分析ツールLookerも導入して、全社的にメンバーがLookerを活用して意思決定を行っているところです。

データ分析ツールを入れても使っているのはアナリストだけ、という状態をよく目にするのですが、YAMAPはエンジニア、デザイナーに関わらず全員がデータを意思決定に役立てようとするスタンスが備わっていて凄いと感じます。これは導入から社内への布教活動まで尽力した、データサイエンスチームの努力の賜物だと思います。


安藤さん自身の今後について

— 安藤さんはこれから何をする予定ですか?

YAMAPのみなさんには全社ミーティングでお伝えしたのですが、今回CXOを退任することになったのには2つの理由あり、それが私の今後の動きになります。

一つは今日もこのインタビューで何度も申し上げてきましたが、これまでの2年間でYAMAPが組織として成熟し、私のサポートがなくても充分にサービスの運営を行っていける状態に至ったこと。これは昨年のYAMAPのリブランディングをYAMAPメンバーが中心に仕上げたことで確信に変わりました。

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自分の役目が終わることには一抹の寂しさもありますが、これは外部から支援している立場として本当に冥利に尽きることです。私はYAMAPが加速するためのサポートを、私が一番パフォーマンスを出せるフェーズでお手伝いできたと思っていますし、とても光栄に思っています。ここから先は、2年前のYAMAPと同じように成長のきっかけを必要としている、また新たなサービスのお手伝いをしたいなと思っています。

もう一つは、私が今年から新たに取り組もうとしている事業の準備です。まだ内容については語れる段階ではないのですが、その時になったらまたご報告しようと思います。

— それは楽しみですね!


最後に

— 今後のYAMAPに期待することをお願いします

私がYAMAPでデザインをする上で何度も語った目標があります。YAMAPをPatagoniaやThe North Faceといったグローバルのアウトドアブランドと並ぶような日本発のブランドにしたい。

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彼らのようなアパレルを中心とするメーカーとは領域が違うかもしれませんが、登山シーンにおいて誰もが最初に思い浮かぶようなサービスになれるよう、今後も成長していって欲しいです。

— 安藤さんのご期待に添えられるようYAMAP一同頑張ります!安藤さん、2年間本当にありがとうございました

どうもありがとうございました。

Fin.