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YAMAP(ヤマップ)のこれまでとこれから 〜 第8期決算公告によせて 〜

ヤマップ代表の春山です。

2013年7月に会社を創業し、2021年6月第8期を終えることができました。

創業から3年続くベンチャー企業は「1000社に3社」、いわゆる”千三(せんみつ)”と言われる厳しい業界の中で、第8期の決算を迎えることができました。ひとえに、ご愛顧いただいているユーザーのみなさん、日頃からサポートしてくださっている株主・関係パートナーのみなさんのおかげです。メンバーを代表し、この場をお借りして心より感謝申し上げます。有り難うございます。

このnoteにて第8期(2020年7月〜2021年6月までの1年間)の決算公告を共有いたします。

決算公告をnoteにて共有する理由は、下記の想いからです。

▼ 上場の有無に関わらず、会社は「社会の公器」である
社会の公器として、透明性のある会社経営を行っていきたい

▼ 会社もひとつの生きものである
会社の成長や紆余曲折のプロセスを共有し、ユーザーさんに限らず多くの方々にヤマップを含む(地方の)ベンチャー企業のあり方に関心をもっていただけたら嬉しい

また、第8期決算公告の共有にあわせて、ヤマップの「これまで」や「これから」についての一端を紹介していきたいと思います。

これまでの資金調達について

ヤマップは創業の頃より、短期的な売り上げよりも長期に渡って社会的インパクトを出し続けられるベンチャー企業を目指しています。そのため「サービスが先、利益は後」のスタンスで、事業を拡大・成長させてきました。

ヤマップが掲げる理念「人と山をつなぐ 山の遊びを未来につなぐ」の実現に共感いただく株主の方々から「出資」による資金調達を複数回実施してきました。お預かりした資金を経営資源としながら、会社運営・サービス開発に専心してきました。

下記が過去の資金調達の主な内容になります。

・2016年3月、約1.7億円の出資による資金調達を実施(記事
・2018年4月、約12億円の出資による資金調達を実施(記事

2019年8月に「YAMAP」アプリのダウンロード数が140万を突破。目標としていた一定の規模獲得を達成したことから、拡大だけでなく、持続可能な会社となるべく健全な収益化にも注力しはじめ、今に至っています。

* 混同される方が多いので補足説明をいたします。資金調達にはさまざまな手段があります。事業成長を期待して実施される「出資」は、主に株式の売却益や経営参加権等を対価とする投資のひとつです。銀行や金融機関が行う「融資(返済の義務を伴う借金)」とは異なります。詳しくは「出資と融資の違い」で検索してみてください。

第8期決算公告について

続いて、第8期(2020年7月〜2021年6月)の決算公告をベースに、ヤマップの今を紹介します。

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左が「第7期(前年)の決算公告」、右が今回発表する「第8期の決算公告」
2年前と比べ売上高は7倍に拡大。インパクト優先で先行投資は続けるも、赤字幅は改善傾向へ

売上高は前年比263%の成長

売上高は7億6924万円。前年同期(第7期:2億9279万円)と比べ、263%の成長となりました。

第8期の主な成長要因は下記です。

・中核事業となる「YAMAP」の機能追加
・YAMAPプレミアム(有料)会員の増加
・EC事業「YAMAP STORE」における取扱商品の拡充
・登山保険加入者の増加
・自治体や民間企業とのコラボレーション・タイアップ事業の増加

これらの取り組みの芽が出はじめ、売上高増につながっています。

収益構造の改善

サービスの価値向上に継続して取り組みつつ、2019年8月より、持続可能な会社を目指し、収益化にも力を注いでいます。

とはいえ、先行投資のフェーズは今後2、3年は継続する予定です。短期的な売上アップよりも事業成長による中長期的なインパクトを優先し、”意志ある赤字”は継続していきます。と同時に、2、3年後の黒字化を目指し、赤字幅の縮小にも注力していきます。

ヤマップユーザーの増加ペースが加速

2021年11月現在、ヤマップのダウンロード数は、累計280万ダウンロードを超えました。680万人と言われる国内登山人口の、2.4人に1人が選ぶサービスへと成長しています。

ダウンロード数が拡大。2022年前半には300万ダウンロードを超える見込み

コロナ禍の影響で、自然との関わり・外遊びの価値が社会的にも見直され、登山・アウトドアが人気となっています。その影響もあり、直近1年間で70万件におよぶ過去最多のダウンロード数を更新しました。2022年前半には、300万ダウンロードを超える見込みです。

また、事業の成長に伴い、メンバー(社員)数は80名になりました。

* 現在もメンバーを募集中です。登山・アウトドアに関心のある方、ヤマップの理念に共感する方はお気軽にご連絡ください → wantedlyのヤマップ採用ページ 

これからのヤマップ

最後に、これからのヤマップについて、ご紹介いたします。ヤマップが掲げる理念「人と山をつなぐ 山の遊びを未来につなぐ」の実現に向けて、今後5〜10年をかけ、ヤマップがどういった事業を通じ社会にインパクトを届けていくのかについて触れたいと思います。

ヤマップが目指す主なインパクトは下記の2つです。

① 人類軸
   
登山が人類のWell being向上に貢献するアクティビティになる
② 環境・山軸
   
登山を通して山が豊かになり、地域が豊かになる

個人のWell being、地域のWell being、環境・山のWell being。この3つがつながる形で、事業を設計・展開していきたい

上記のインパクトを視野に入れながら、現在手がけている事業と今後手がけていく事業を、ロジックモデルという手法で整理をしました。

① 人類を軸としたロジックモデル
② 環境・山を軸としたロジックモデル

私たちの事業は、登山地図GPSアプリ「YAMAP」にフォーカスされがちですが、自分たちを登山アプリの制作会社だとは思っていません。私たちヤマップは、アプリやテクノロジーを活用しながら、山や自然を安全に楽しむための”インフラサービス”を社会へ届ける会社です。また、登山を通して、人類のWell being向上に寄与し、地域や環境・山の豊かさ醸成に貢献したいと考えています。

これからのベンチャー企業のあり方を体現すべく、営利と規模だけでなく、事業を通じた社会的インパクトも軸に据え、挑戦をつづけてまいります。まだまだ道半ば。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いします。

株式会社ヤマップ 代表取締役
春山 慶彦